中小企業が導入しやすい福利厚生とは?低コストで満足度の高いおすすめの福利厚生、導入時のメリットなど解説!
近年、働き方改革推進によるワークライフバランスの意識が高まる中、給与などと同様に働きやすさや福利厚生の充実を重視する従業員、求職者が増えてきました。
しかし、
「大企業並みの福利厚生を充実させたいが、予算も時間もない。」
「中小企業が導入しやすい福利厚生はどんな内容があるだろう?」
このようなお悩みを抱えている中小企業の経営者、ご担当者もいるのではないでしょうか。
中小企業でも工夫次第で、低コストで効率的に福利厚生を導入することが可能です。
本記事では、中小企業が福利厚生を充実させる必要性や、取り入れやすい福利厚生サービスをご紹介します。
人材定着や従業員満足度の向上を図りたいとお考えの中小企業の経営者や人事・総務ご担当者はぜひ参考にしてください。
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福利厚生とは?
人材定着や従業員の満足度向上に欠かせない要素の一つが福利厚生の充実です。
そもそも福利厚生とは、企業が従業員やその家族へ提供する給与・賞与以外の報酬またはサービス全般のことで、法律で定められている「法定福利厚生」と企業が任意で実施できる「法定外福利厚生」の2種類があります。
法定福利厚生
法定福利厚生とは、「法律で義務付けられた」福利厚生のことです。
企業規模関係なく、すべての企業に設けられている最低限の福利厚生制度であり、導入していない場合は法律違反になります。
法定福利厚生とされているのは以下の6つです。
法定外福利厚生
法定外福利厚生とは、「法律に関係なく企業が自由に実施できる」福利厚生のことです。
企業にとっては、従業員の満足度向上と人材定着につながる法定外福利厚生を充実させることで、従業員が働きやすい環境を整えることが重要なポイントとなります。
人気の福利厚生は、後述の「中小企業におすすめの福利厚生」をご確認ください。
中小企業が福利厚生を充実させるべき理由
福利厚生の充実は離職防止や採用強化に欠かせない企業戦略の1つです。
しかし、中小企業において充実した福利厚生を整えるには「莫大なコストがかかる」、「運用に手間がかかる」とお考えの方も多くいらっしゃるでしょう。
ここでは、中小企業こそ福利厚生の充実が必要な理由について解説します。
中小企業における福利厚生費の相場
中小企業の多くは、大企業に比べて予算や人員が限られているため、必要最低限の福利厚生だけ用意しているケースも少なくありません。
実際、厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査の概況」によると、1ヵ月の「法定外福利費(企業が自由に導入できる福利厚生)」の平均は、従業員数が少ないほど低い傾向にあります。
企業規模(常用労働者数) |
法定外福利費(1か月平均/人) |
1,000人以上 |
5,639円 |
300人~999人 |
4,567円 |
100人~299人 |
4,546円 |
30人~99人 |
4,414円 |
中小企業だからこそ福利厚生の充実がカギ
現代の日本では、少子高齢化による労働人口の減少や、転職活発化による優秀な人材の流出が加速し、人材確保がますます困難になりつつあります。
福利厚生の充実という視点では、中小企業は大企業ほどのブランド力を持っていないため、採用市場では不利になる可能性もあり得ます。
だからこそ採用競争が激しい現代において、優秀な人材の採用や定着に福利厚生の充実が差別化のカギになるといえるでしょう。
コストや人員など資源が限られていればいるほど、戦略的に福利厚生の充実を図ることは、企業にとって長期的に大きな価値をもたらします。
中小企業におすすめの福利厚生
ここでは、中小企業でも導入しやすいおすすめの福利厚生施策をご紹介します。
住宅手当・家賃補助
もっとも人気の福利厚生の1つが、住宅手当や家賃補助です。
住宅関連の出費は従業員の生活に直接関わるため、福利厚生として住宅手当や家賃補助を提供することで、従業員の金銭的負担が軽くなります。
さらに、住宅手当や家賃補助は従業員が長く働き続けるきっかけにもなります。引越しや住居探しの手間が軽減し、同じ会社でキャリアを築く意欲を高める効果や離職防止効果があります。
補助額も企業の裁量で定めることができるので、中小企業でも導入しやすい福利厚生といえるでしょう。
特別休暇
特別休暇とは企業が独自に設定できる休暇のことで、コストをかけずに導入できる中小企業向けの人気の福利厚生です。
以下は、特別休暇の一例です。
●夏季・冬季休暇
●慶弔休暇
●結婚・出産休暇
●アニバーサリー休暇
●リフレッシュ休暇
従業員のライフスタイルやライフステージに合わせた休暇を取得できる環境を整えることで、従業員のワークライフバランスが実現でき、モチベーションアップや人材定着率の向上にもつながります。
柔軟な勤務制度
働き方改革や従業員のニーズが多様化する中、柔軟な勤務制度を整えることは、中小企業においても非常に大切な制度の1つです。
柔軟な勤務制度は具体的には以下が挙げられます。
●時差出勤制度(日ごとの勤務時間は変えず、出退勤時間を調整できる制度)
●フレックスタイム制度(あらかじめ定められた総労働時間の範囲内で、始業や終業の時間、日ごとの勤務時間を調整できる制度)
●テレワーク制度(オフィスに出勤することなく自宅などでの勤務を可能とする制度)
上記のような制度を積極的に導入することで、従業員それぞれのライフスタイルに合わせた働き方が可能になります。
食事補助
食事補助は、従業員の食費負担を軽減できるだけでなく、従業員の健康管理にも有効な福利厚生です。
食事補助というと、一般的には社員食堂を思い浮かべるかもしれません。
中小企業の場合、コストやスペースの都合で容易に導入することは難しい場合もあります。
食事補助サービスは他に弁当サービス・設置型社食・ランチ補助・オフィスコンビニなど種類が豊富なので、自社の状況に合わせて導入を検討してみてもいいでしょう。
休憩室にドリンクサービスがあるだけでも、手軽なリフレッシュの場になります。
従業員の心身の健康が保たれれば、集中力向上や職場の生産性アップにつながります。
法定外健康診断補助
健康にかかわる福利厚生は、健康経営などの影響もあり、近年特に注目されている福利厚生の1つです。
従業員が不健康な状態では休業や離職に繋がるリスクがあるため、通常自己負担となる法定外健康診断を導入することで、従業員の健康状態を定期的にチェックし、健康問題の早期発見が可能になります。
<法定外健康診断>
●人間ドック
●食生活指導
●各種ガン検診
●メタボチェック
従業員の心身の健康は企業の業績にも関わるため、従業員の健康促進や健康維持に有効な福利厚生は、現代において欠かせない制度の1つと言えます。
中小企業が福利厚生を導入するメリット5つ
中小企業が福利厚生を導入することで得られるメリットにはどんなものがあるのでしょう?
ここでは主に5つのメリットをご紹介します。
従業員のモチベーションが向上する
福利厚生の充実は、従業員のモチベーション向上に大きく寄与します。
日々の業務に加えて、従業員自身の成長や健康を意識できる環境が整っていると、仕事に対する取り組み方が自ずと前向きになり、自己成長を実感できるため、モチベーションが向上します。
また、リフレッシュ休暇やフレックスタイム制度などを導入することで、働き方の選択肢が広がり、従業員それぞれのライフスタイルに合わせて働くことができます。
その結果、仕事とプライベートのバランスが取りやすくなり、仕事の生産性も向上します。
充実した福利厚生の整備は、従業員が企業に対して帰属意識を持ち、高い意欲を持って働くための基盤となるのです。
従業員満足度が上がり、人材定着に繋がる
福利厚生の充実は、従業員の満足度向上にも直結します。
例えば、有給休暇が取得しやすい環境を整えたり、育児・介護支援関連の福利厚生制度を設けることにより、ワークライフバランスの実現が可能になります。
また、健康促進のイベントやカウンセリングサービスなど心身面のサポートに関する福利厚生を取り入れることによって、従業員の心身の健康が保持され、働きやすい環境と感じる従業員も増えるでしょう。
福利厚生を充実することで、従業員は「自分たちを大切にしてくれる会社」であると感じることができ、エンゲージメント向上にもつながり、結果的に離職率の低下に寄与します。
採用時にアピールできる
人材競争が激しくなる中、近年の採用市場では多くの求職者が企業選びの際に特に注目するポイントとして、「福利厚生の充実」を挙げています。
「マイナビ2024年卒 学生就職モニター調査 5 月の活動状況」によると、以下の表の通り、企業を選ぶときに注目するポイントの中で、ベスト3選択式で第1位、最も注目するポイントでも4位という結果が出ています。
<参照>マイナビ/「 2024年卒 学生就職モニター調査 5月の活動状況」
大企業と比較すると、中小企業はそこまで福利厚生が充実していないというイメージがあるかもしれません。
だからこそ、福利厚生を充実させることが優秀な人材を惹きつける有効な手段となり、採用時の大きなアピールポイントになるのです。
節税効果が期待できる
福利厚生費は、税法上では原則経費として取り扱うことが可能です。
ただし、福利厚生費を経費計上するには、以下の3つの要件すべてを満たす必要があるため、注意しましょう。
<福利厚生費として計上するための要件>
① 全従業員が対象になっているか
② 金額に妥当性があるか
③ 現金支給ではないこと
上記要件を満たせば、企業としても非課税で扱えるため、福利厚生を充実させることは節税対策にも有効であるといえるでしょう。
▼福利厚生費の仕組みについてさらに詳しく知りたい方は、下記記事をご確認ください。
大企業並みの充実した福利厚生を利用できる
昨今、従業員の求める福利厚生のニーズは多様化してきています。
年代によってもニーズは異なるため、従業員それぞれに見合った福利厚生メニューを取り揃えるに越したことありません。
しかし、福利厚生の充実化といっても容易なことではありません。
自前で幅広いメニューを用意したり、運用するにはコストや労力がかかります。
リソースが限られている中小企業では、なおさら難しいかもしれません。
そこで、近年注目されているのが、法定外福利厚生を外部委託する福利厚生アウトソーシングサービスの活用です。
福利厚生アウトソーシングサービスでは、旅行・レジャー・育児・介護・スポーツ・健康など、幅広い年齢層のニーズやライフスタイルに対応するサービスが用意されています。
従業員は自由に利用したいサービスを選んで利用できるため、それぞれのニーズに合った福利厚生の利用が可能です。
手頃に、幅広いメニューを取り揃えている福利厚生アウトソーシングサービスを導入することで、中小企業でも大企業並みの充実した福利厚生を利用することが可能になります。
▼福利厚生アウトソーシングサービスや、自社運営する場合との比較について詳しく知りたい方は、下記記事をご確認ください。
中小企業が福利厚生を導入する際の3つのポイント
中小企業が福利厚生の充実化を図る際に、押さえておくべきポイントを3つご紹介します。
ニーズの高い福利厚生を導入する
「中小企業における福利厚生費の相場」でも記した通り、大企業と比べて中小企業は、福利厚生に割く費用が少ない傾向にあることが分かります。
そのため、中小企業で福利厚生を充実させるには、「コストを抑えながら従業員のニーズや社風に見合う福利厚生を用意する」ことが重要なポイントとなります。
従業員が福利厚生に何を求めているのか、どんな内容であれば利用したいかなどを事前に把握するために、アンケートや面談を実施してみるといいでしょう。そして、従業員の声をもとに、自社に見合う福利厚生を選定しましょう。
アンケートや面談の実施が難しい場合、年代別に人気の福利厚生やニーズの傾向について調べるのも1つの手段です。
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従業員のライフステージや年代に応じた福利厚生を用意することで、積極的に福利厚生を活用できる従業員が増え、従業員の満足度向上が期待できます。
助成金を活用する
中小企業が福利厚生を導入する際、コスト面での負担が大きいと感じることもあるでしょう。その場合、助成金を活用できる可能性があります。
例えば、育児支援を目的とした助成金や、テレワーク導入支援のための助成金など、種類は多岐にわたります。いずれも申請手続きが必要ですが、多くの場合、ガイドラインや支援体制が整っているため、初めてでも安心して利用できます。
これらの助成金を上手く活用することで、コストを抑えつつ、充実した福利厚生を整備することが可能になります。ただし、助成金を活用する際には、申請条件や期限に注意することが必要です。
詳しくは、厚生労働省サイトにてご確認ください。
福利厚生アウトソーシングサービスを利用する
中小企業でも大企業並みの福利厚生を用意するには、福利厚生アウトソーシングサービスを利用するのも有効な手段です。
福利厚生アウトソーシングサービスは、企業が自前で福利厚生制度を構築する負担を軽減し、従業員満足度向上に繋がる多種多様なサービスを提供します。
また、担当者の運用業務をすべて委託できるため、効率的かつ効果的な福利厚生の提供が可能となります。
福利厚生アウトソーシングサービスを利用することで、従業員は自由にメニューを利用できるだけでなく、企業側も管理コストや手間を大幅に削減することができるメリットもあります。
福利厚生に関する専門知識がない企業や、福利厚生の運用や管理をする専門部署がない企業でも安心して利用できるのが大きな魅力です。
低コストで手軽に導入できる福利厚生なら福利厚生倶楽部!
福利厚生倶楽部は、中小企業が手軽に導入できる多彩な福利厚生メニューを提供しています。
多くの中小企業が集まることで得られるスケールメリットによって「大手企業に負けない福利厚生を形成しよう」という、共済・互助の考えで1993年に立ち上がったサービスで、多くの中小企業に長年選ばれています。
また、福利厚生を自社運営することで発生する業務負荷を軽減したいという考えや、時代に合わせたフレキシブルな制度見直しを専門業者に一任したいという考えから、昨今では大手企業からの需要も高まっています。
グルメやレジャーをはじめ、健康サポート・育児・介護など全国約20万種類以上の幅広いメニューを、従業員それぞれが使いたいときに自由に使える福利厚生サービスです。
使い方も簡単で、WEBサイトやスマホから各種利用、手続きができるため、今まで企業の福利厚生担当者が窓口対応や手続きをしていた煩雑な業務も不要になり、業務手間を削減できるのが魅力的なポイントです。
中小企業に合った福利厚生で優秀な人材の確保・定着につなげよう
中小企業でも、自社にマッチする福利厚生を導入することで、従業員の満足度向上や生産性を向上させることができます。
優秀な人材を確保し、従業員が長く働き続けられる環境を整えるために、まずは何が必要で、どんな方法が最適かを判断した上で、福利厚生の見直しと充実を図りましょう。