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ワークライフバランスとは?取り組む意義やメリットを徹底解説!!

本記事では、ワークライフバランスの概要とその実現に向けた取り組みについて解説します。
言葉ばかりが先行し、真の意味での理解はまだまだともいえるワークライフバランス。
この記事では企業が取り組むことで得られるメリットや、実際の事例も紹介します。ぜひご確認ください。

目次[非表示]

  1. ワークライフバランスとは
    1. ワークライフバランス憲章
  2. ワークライフバランスに取り組むメリット
    1. 優秀な人材の確保
    2. 労働生産性の向上
    3. 企業イメージ向上
  3. ワークライフバランス実現へ向けた取り組み
    1. 育児介護制度の拡充
    2. 長時間労働の削減
    3. 短時間勤務制度/フレックスタイム
    4. 在宅勤務、テレワークの導入
  4. ワークライフバランスに向けて注意するポイント
    1. 初期投資が必要
    2. リソース管理の複雑化
    3. 不公平感の払拭
  5. ワークライフバランスの好事例
    1. 伊藤忠商事株式会社
    2. SCSK株式会社
  6. まとめ

ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは、仕事(ワーク)と生活(ライフ)の調和を指す言葉です。
単に「仕事とプライベートの時間を半分ずつにする」ということではなく、「やりがいのある仕事」と「充実した私生活」が両立し、その双方が相乗効果を生み出している状態が理想です。

個人のライフステージや考え方によって適切なバランスは異なり、一概に「仕事をセーブする=ワークライフバランス」とも限りません。個人個人が自分にとって最適なバランスを選択できることが重要であり、社会が取り組むべき目標といえます。

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ワークライフバランス憲章

ワークライフバランス憲章とは、仕事と生活の双方の調和の実現に向けて、2007年12月に関係閣僚、経済界・労働界・地方公共団体の代表等からなる「官民トップ会議」において策定されたガイドラインのことです。

ワークライフバランス憲章
 我が国の社会は、人々の働き方に関する意識や環境が社会経済構造の変化に必ずしも適応しきれず、仕事と生活が両立しにくい現実に直面している。
 誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、今こそ、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならない。
 仕事と生活の調和と経済成長は車の両輪であり、若者が経済的に自立し、性や年齢などに関わらず誰もが意欲と能力を発揮して労働市場に参加することは、我が国の活力と成長力を高め、ひいては、少子化の流れを変え、持続可能な社会の実現にも資することとなる。
 そのような社会の実現に向けて、国民一人ひとりが積極的に取り組めるよう、ここに、仕事と生活の調和の必要性、目指すべき社会の姿を示し、新たな決意の下、官民一体となって取り組んでいくため、政労使の合意により本憲章を策定する。

内閣府「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章

この憲章では、ワークライフバランスの実現によって得られるものは、単なる労働環境の改善にとどまらず、わが国の経済的な成長や昨今の少子化の流れを変えるとまで言われており、企業や個人、社会全体がワークライフバランスの実現に向けて取り組むことの重要性が説かれています。

ワークライフバランスに取り組むメリット

ガッツポーズするサラリーマン

前章では、ワークライフバランスの実現に取り組む社会的意義について触れました。しかし、「わが国の持続可能な社会の実現」といっても実感がわかないのが正直なところでしょう。

ここでは、企業がワークライフバランスに取り組むことによって得られる直接的かつ具体的なメリットについて紹介します。

優秀な人材の確保

ワークライフバランスを重視する企業は、優秀な人材を確保しやすくなります。特に、女性の従業員は出産や育児でキャリアが一時中断してしまう傾向にありますが、産休・育休制度や時短勤務制度など子育てと仕事の両立をサポートする制度を充実させることで、優秀な人材が離職することなく働き続けてもらうことが可能です。

また、就活中の学生が重視するポイントの1つにワークライフバランスが挙がっており、株式会社学情が実施したアンケートにおいては、有効回答者のうち約32%がワークライフバランスを重視するという結果が出ており、ワークライフバランスに対する世間の注目度も高まっているといえます。

株式会社学情「【27卒学生調査】最重視する「就活の軸」、3人に1人が「ワーク・ライフ・バランス」。企業選びで重視するのは「勤務時間や休日など働きやすさ」と「安定性」

労働生産性の向上

適切なワークライフバランスが確保されることにより、社員の健康状態が改善され、業務の効率も向上します。

厚生労働省が発表するデータにおいても、

  • 労働時間が短いほど労働生産性が高い

  • ワーク・ライフ・バランスの実現に積極的な企業ほど売上は多い

  • 離職率の低下や雇用の増加につながる傾向がある

  • 企業の中期計画にワーク・ライフ・バランスに関する目標を盛り込んだ企業は、
    経常利益、労働生産性、従業員数がともに大きく高まっている

などの効果が示されています。

厚生労働省「平成29年版 労働経済の分析-イノベーションの促進とワーク・ライフ・バランスの実現に向けた課題-

企業イメージ向上

ワークライフバランスを重視する企業は、社員だけでなく顧客や取引先にも好印象を与えます。従業員を大切にする企業という社会貢献的な立場を示すことで、企業のブランド価値が向上し、信頼獲得につながります。

安全衛生優良企業認定」、「健康経営優良法人」、「くるみんマーク」をはじめとした、ワークライフバランスの実現に取り組む企業を認定する制度も多数あるため、制度を充実させ認定を取得することにより他社との差別化を図ることが可能です。

ワークライフバランス実現へ向けた取り組み

育児介護制度の拡充

仕事と家庭の両立において、最も大きな転換点となるのが「育児」と「介護」です。
育児や介護に取り組む従業員を手厚くサポートすることで離職を抑制し、人材の流出を防ぐことが可能です。

  • 育児休業・介護休業の取得促進:休業を取得しやすい職場環境の醸成や、男性の育児参加(産後パパ育休など)の推進。
  • 給付金や手当の充実:経済的な不安を軽減するための独自の手当の支給など。
  • 復職支援プログラム:休業中の中断をスムーズに埋めるための研修や、復職後のキャリア形成支援。

長時間労働の削減

長時間労働は、社員の健康や生活の質に悪影響を及ぼす要因です。
適切な労働時間に整えることは心身の健康維持と、プライベートな時間を確保するための「土台」となる取り組みです。

  • 時間外労働の上限規制:法律遵守はもちろん、独自に「月30時間以内」などの、法令より厳しい基準を設ける。
  • ノー残業デーの徹底:特定の曜日を定時退社日とし、社内の意識改革を図る。

短時間勤務制度/フレックスタイム

「時間」の制約を柔軟にすることで、個々のライフスタイルに合わせた働き方を可能にします。

  • 短時間勤務: 育児や介護、あるいは自身の通院などの理由により、1日の労働時間を6時間程度に短縮する制度。
  • フレックスタイム制度:始業・終業時刻を従業員が決定できる制度。1日のうち必ず勤務しなければならない時間帯「コアタイム」を設けた制度とコアタイムのないフルフレックス(スーパーフレックス)制度がある。
  • 中抜けの承認:就業時間の途中で私用(子供の送り迎え等)のために一時離席し、後でその分を補填する柔軟な運用。

在宅勤務、テレワークの導入

「場所」の制約をなくすことで、移動コストを削減し、ワークライフバランスを劇的に向上させます。
この働き方は、コロナ禍を経て多くの企業で導入され、今後も広がっていくことが予想されます。

  • 在宅勤務:自宅を就業場所とする形態。通勤時間の削減分を、家事や育児、自己啓発に充てることが可能。

  • サテライトオフィス:自宅近くの共用オフィス等で勤務し、職住近接を実現する。

  • ワーケーション:旅先などで業務を行う形態。リフレッシュと業務の両立を図る。

ワークライフバランスに向けて注意するポイント

ポイント

初期投資が必要

新たな制度や仕組みを導入するには、初期投資は避けられません。
例えばテレワークをするためのPCの手配や、セキュリティ対策などのハード面に加え、就業規則や人事制度などの改定に伴う社労士やコンサルへの相談費用などソフト面の費用も発生することになります。

リソース管理の複雑化

働く場所や時間が多様化することにより、チーム全体の管理が複雑化します。
「だれが、どこで、何をしているか」を把握するために、対面であればすぐに確認できますが、オンライン上の非同期コミュニケーションの場合はタイムラグが生じます。
また、突発的な業務が発生した際に、稼働しているメンバーだけで対応できるように業務の標準化がなされている必要があり、属人化している業務のマニュアル作成等も必要になります。

不公平感の払拭

ワークライフバランスを推進する中で、従業員間の不公平感も留意する必要があります。
一般的な傾向として、子育てや介護に取り組む従業員の突発的な休暇などは認められやすい一方で、独身者や子育てではない従業員にそのしわ寄せがいくケースが多いです。
また、事務職はテレワークやフレックスタイム制度の対象だが、接客担当は対象ではないといった職種による不平等も生じる可能性があります。
全従業員が一律に恩恵を受けられるような制度構築と運用時の工夫が必要になります。

ワークライフバランスの好事例

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事では、柔軟な勤務時間の設定や女性の活躍推進などワークライフバランス実現に向けた様々な施策を実施しています。

朝型勤務

当社ではフレックス制度を導入しており、特徴的なのがフレキシブルタイムが朝5時~9時の早朝の時間帯に設けられていることです。
朝8時以前に出勤した社員には軽食が配布されたり、夜間と同様に割増賃金が支給されたりと“朝活”を企業が支援する制度です。

伊藤忠商事「朝型勤務

女性活躍推進

当社では女性の活躍推進にも力を入れています。半数以上が女性で構成された女性活躍推進委員会が設置されており、女性からの視点を通じた様々な提言が取締役会にされており、
社内制度を熟知した看護師・助産師による「育児・健康コンシェルジュ」や海外駐在期間中の「卵子凍結保管費用」の会社負担など様々な制度が実現に至っています。

伊藤忠商事株式会社「女性活躍推進

伊藤忠商事株式会社「女性活躍の更なる推進に向けて

SCSK株式会社

SCSKでは、リモートワークを中心としたオフィスの在り方・ロケーションの戦略立案に力を入れており、オンラインコミュニケーションにおけるマナーやケース別コミュニケーションガイドなどを制作し、柔軟な働き方のスムーズな普及をサポートしています。
また、平均残業時間を20時間/月以下、年次有給休暇を100%取得することを目標とした「スマートワーク・チャレンジ」を掲げており、ワークライフバランス実現に向けて様々な角度からアプローチしています。

SCSK株式会社「働き方改革

まとめ

この記事では、ワークライフバランスの重要性とその実現に向けた取り組みについて解説しました。
ライフスタイルや働き方が多様化する現代において、ワークライフバランスの改善に向けて企業全体で取り組んでいくことは必要不可欠な要素になりつつあります。この記事の内容を踏まえ、自社の働き方を見直すきっかけとしていただければ幸いです。社員一人ひとりが充実した日々を送るための、ワークライフバランスの実現に向けた一歩を踏み出してみましょう。

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