エンゲージメントサーベイの概要を徹底解説!効果的な運用方法からおすすめツール4選!
少子高齢化が進み労働者人口が減少していくことが予想されるため、企業にとって労働者の確保が重要視されるようになってきました。この記事では労働者の確保やより良い組織をつくる際に役立つツール「エンゲージメントサーベイ」についてご説明します。
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エンゲージメントとは?
エンゲージメントとは?
エンゲージメントとは、従業員の仕事に対する深い関与と情熱を定義する用語です。一般的には、「組織に対する所属意識」や「仕事やチームへの献身的なコミットメント」を指し、組織に対する思い入れ、働きがい、愛社精神などと表現される概念です。
従業員満足度との違い
従業員満足度とは、組織や企業において働く従業員が給与や福利厚生、仕事内容や労働条件、組織の文化、上司との関係など、職場の環境に対してどれだけ満足しているかを示す指標です。
従業員満足度が職場の環境といった外的な要因に対する満足度を表すのに対し、従業員エンゲージメントは、会社の目標達成や成長に対してどれだけ貢献したいかなどといった内的な充足感を表す指標になります。
エンゲージメントサーベイとは?
エンゲージメントサーベイは、従業員の「エンゲージメント」レベルを定量的、定性的に評価するためのツールです。これにより、管理者は従業員の態度や行動、パフォーマンスに影響を及ぼす可能性のある要因を理解し、より効果的な組織改善を計画するための情報を得ることができます。
エンゲージメントサーベイの目的
従業員のエンゲージメントを把握する
まず、何と言ってもエンゲージメントサーベイによって従業員のエンゲージメントを正確に把握することができます。従業員のエンゲージメントが低いと、モチベーション低下やメンタル不調者の増加、離職率の上昇など大きな悪影響をもたらします。一方、エンゲージメントが高いと、モチベーションが向上し、生産性も上がり、働きがいを感じることができるため離職率が低下するなど非常に大きなプラスの影響をもたらします。よって、従業員のリアルなエンゲージメントを把握することは、組織運営において非常に重要です。
組織の改善点・課題を洗い出す
エンゲージメントサーベイにより従業員のエンゲージメントそのものを測定できるのはもちろんのこと、様々な設問に対する回答を集めることにより、組織の改善点や課題を明確に洗い出すことが可能になります。一般的なストレスチェックにとどまらず、組織状態を細かく分析し、従業員の意見や感じている問題を具体的に把握することで、組織改善への具体的なアクションプランを策定しやすくすることが可能です。
企業文化の浸透度を確認する
企業のビジョンや価値観の浸透度を確認することも目的の一つです。ビジョンを従業員に浸透させるさせることができれば、意思決定の際の行動指針になります。そして、共通のビジョンを掲げ同じ目標に向けて働くことにより、モチベーションの向上や組織の結束力の強化になります。エンゲージメントサーベイを通じて、従業員が企業文化を理解し、体現しているかを把握することにより、組織として方向性が定まっているかを確認することができます。
エンゲージメントサーベイ実施のメリット
メリット①:休職者、離職者が減少する
エンゲージメントサーベイによって把握した課題や問題点を解決することにより、従業員のエンゲージメントを高めることが可能です。エンゲージメントは先述のとおり仕事へのモチベーションや組織への愛着に直結するため、休職率や離職率の低下が期待できます。
メリット②:生産性が向上する
メリット①と同様に、エンゲージメントサーベイにより職場環境が改善し、従業員のモチベーションが高まると生産性が向上していきます。また生産性が向上すると仕事への達成感が大きくなるため、さらなるエンゲージメントの向上にも繋がります。
メリット③:業績が向上する
メリット①、②を踏まえると、労働環境が改善し、従業員のモチベーションが高まっている上に、休職者や離職者が減ればおのずと組織全体の業績も向上していきます。エンゲージメントサーベイを実施して、従業員ひとりひとりの課題を把握し解決していくことにより、会社全体として大きな効果を生み出すことが可能です。
エンゲージメントサーベイの実施時のポイント
目的の明確化
エンゲージメントサーベイを効果的に行うためには、まず調査の目的を明確にすることが不可欠です。例えば、従業員の満足度向上、組織風土の改善、企業文化の浸透などを目的として掲げ、それに沿った質問項目を設計することが必要です。
エンゲージメントサーベイ実施の手順
①目的設定
エンゲージメントサーベイを実施するには、目的を設定する必要があります。目的が明確でなければ、得られた結果が具体的な施策へと繋がりづらくなります。結果をどう活用するか、どのような改善を目指すのかを定義することが大切です。
②調査項目の設計
目的に基づいたクエスチョンを設計します。エンゲージメントサーベイでは、一般的な従業員満足度だけではなく、仕事のやりがい、上司との関係、キャリアパス等、エンゲージメントに影響を及ぼす要素を網羅的に設問することが大切です。
③アンケート実施・回収
アンケートの回答は従業員にとって負荷となるケースが多いため、実施する時期や回答までの期限は余裕をもって回答できるように設定する必要があります。
④結果分析
アンケートの結果を基に、データ分析を行います。大切なのは、組織や部署全体としての傾向と個別具体的な事象に対してバランスの取れた分析を行うことです。多角的な分析を行うことで、本当に重要な課題や改善ポイントを見つけ出すことができます。
⑤フィードバック
結果を全員にフィードバックをすることも重要です。従業員に対して適切にフィードバックを行うことにより、エンゲージメントサーベイ実施の意義が伝わって、次回以降の回答でより精緻な情報を収集できるようになります。
⑥改善策の立案・実施
従業員個人へのフィードバックを行うだけでなく、組織の改善を進める必要があります。
この際、組織全体の課題だけでなく、部門ごと、チームごとの課題についても考え、組織全体で取り組むアクションと、それぞれのチームで取り組むアクションを設定します。ここで大切なのは、具体的な行動計画を立て、それを実行していくことが大切です。
エンゲージメントサーベイの実施頻度
エンゲージメントサーベイは1年に複数回実施することが理想です。
一般的には、ストレスチェックも兼ねて年に1回の実施にとどまってしまう企業が多いようです。しかし、1年のうちに職場や家庭など従業員を取り巻く環境は変化します。例えば、今回のサーベイでは問題が無かった従業員も、翌月からエンゲージメント低下がはじまり、翌年の結果では回復が難しい状態ということもあり得ます。このような悲劇を防ぐためにも、1か月に一回、四半期に一回というようにある程度の頻度での定点観測が重要になります。リアルタイムの組織状態のデータを集めることで、組織改善の質の向上が期待できます。
おすすめのエンゲージメントサーベイツール
効果的な調査を定期的に自力で行うのは中々ハードルが高く、かなりの業務負荷がかかります。そこで活用したいのがエンゲージメンタルサーベイツールです。機能や価格などツールごとに特徴が異なるため、自社にマッチしたツールを見つけることが重要です。
Reloエンゲージメンタルサーベイ
福利厚生サービスを提供しているリロクラブが提供するエンゲージメントサーベイツールです。
改正労働安全衛生法により義務化されているストレスチェックを兼ねた「ディープサーベイ」と定点観測として手軽に回答できる「ショートサーベイ」を組み合わせて従業員個人の課題を可視化し、組織診断を行うことが可能です。
Wevox
株式会社Atraeが提供するWevoxでは通常のエンゲージメントサーベイに加え、組織ごとのカルチャーを分析できる『Wevox 組織カルチャー』やユング心理学をベースにした『個人特性分析』など様々な切り口から詳細な分析を行うことが可能です。
カオナビ
株式会社カオナビが提供するタレントマネジメントシステムです。エンゲージメンタルサーベイが実施できることに加え、人材情報の可視化が可能です。人材配置のシミュレーションや評価運用のクラウド化など人事業務全般に関する機能が豊富に揃っているのが特徴です。
Geppo
株式会社リクルートが提供するエンゲージメントツールです。リクルートで実際に運用されている組織診断をもとに、どういった企業でも同様の組織診断をできるようにしたのがこのツールのコンセプトです。導入時に専任スタッフから活用方法をレクチャーしてもらえるなどサポートが手厚いことも特徴です。
まとめ
労働者人口が減少している現在、従業員の確保や生産性の向上は年々重要度が増していくことが予想されます。エンゲージメントサーベイは、従業員のエンゲージメントを数値化し、これらの課題解決に役立てられるツールです。個々の企業に合わせた最適なサーベイを選んで、従業員満足度の向上と組織全体の発展にお役立てください。