【2024年8月最新】「健康経営優良法人2025」に認定されるには?最新の認定要件や施策例を詳しく解説!
企業の生産性向上や従業員の健康増進に寄与する健康経営。
2023年度に実施された「健康経営優良法人2024」の認定法人数は過去最高を更新し、企業や従業員の健康意識が高まりつつある中、「企業で健康経営に取り組むことで、どのような効果が得られるのか」「健康経営優良法人に認定されるためには、どのような申請が必要か」などについて詳しく知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、最新の「健康経営優良法人2025」の認定要件、申請スケジュールのほか、健康経営優良法人に認定されることで得られるメリット、効果的な施策例などについて詳しくご紹介します。
※本記事の情報は、2024年7月23日に開催された経済産業省主催「第12回 健康・医療新産業協議会 健康投資ワーキンググループ」で発表された内容であり、確定事項ではありません。詳細については健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」にてご確認ください。
<参考>経済産業省/「第12回 健康・医療新産業協議会 健康投資ワーキンググループ」
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健康経営優良法人とは?
健康経営優良法人は、従業員の健康管理を戦略的に行っている優秀な大企業および中小企業に与えられる称号です。
2017年度からスタートして以降、認定企業数は年々増加しており、第8回目となる「健康経営優良法人2024」では、日本健康会議により、大規模法人部門:2,988法人(上位法人には「ホワイト500」の冠を付加)、中小規模法人部門:16,733法人(上位法人には「ブライト500」の冠を付加)が認定されました。(2024年3月11日発表)
<参考>日本健康会議
健康経営優良法人として認定されることは、従業員のモチベーション向上や企業のブランド価値向上にもつながるため、徐々に関心が高まっています。
健康経営優良法人認定制度とは?
健康経営優良法人認定制度は、経済産業省と日本健康会議が主催する 「健康経営を積極的に実践している優良企業を顕彰する制度」のことを指します。
健康経営を提唱しているだけではなく、具体的な取り組みの報告と改善結果が認められた企業のみが健康経営優良法人 として認定されます。
当制度は企業規模に応じて、大企業が対象の「大規模法人部門」と中小企業が対象の「中小規模法人部門」の2つの部門に分けられます。
どちらの部門に該当するかは、業種ごとの「常時使用する従業員の人数」によって区分されます。(下記表)
<参考>健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」/「健康経営優良法人2025 申請区分」
健康経営優良法人認定制度の種類
健康経営優良法人に選定された企業の中で、特に優良であると認定された上位500の企業には「ホワイト500(大規模法人 )」と「ブライト500(中小規模法人)」が選出されます。
また大規模法人部門の中でも、特に高い評価を受けた東京証券取引所の上場企業は「健康経営銘柄」に選定され、投資家へ企業価値をアピールできます。
「健康経営銘柄」に選出された企業には、健康経営の普及を拡大していくアンバサダー的な役割のほか、健康経営の効果を分析し、積極的に発信することも求められます。
「健康経営銘柄」の詳細について経済産業省のホームページをご確認ください。
なお、各部門の認定基準や申請方法は、この後の「健康経営優良法人に認定されるには?」「健康経営優良法人の申請スケジュール・申請方法は?」で詳しく解説します。
<参考>経済産業省 商務・サービスグループヘルスケア産業課/「健康経営の推進について」(2024年3月)
「健康経営優良法人2024」の最新認定状況
「健康経営優良法人2024」の認定数は、「健康経営優良法人2023」の認定数(大規模法人部門:2,676法人、中小規模法人部門:14,012法人)と比べると、両部門とも大幅な増加となり、健康経営に積極的に取り組む企業が増えていることが分かります。
認定企業一覧や部門ごとの結果については下記で解説します。
■「健康経営優良法人2024」認定企業一覧はこちら
健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「 ACTION!健康経営」/ 「健康経営優良法人2024 発表」認定企業一覧
「健康経営優良法人2024」の認定企業一覧を見ると、様々な業種や規模の企業が健康経営優良法人に認定されており、健康経営に取り組む重要性や注目度が高いことが確認できます。
「大規模法人部門」における2023年度の健康経営度調査では、日経平均株価を構成する225社の内、約8割が回答をしており、高い回答率となっていることがうかがえます。
一方、「中小規模法人部門」における「健康経営優良法人2024」の認定数は、前年度の14,012件から16,733 件へと大幅に増加し、前年比119%という結果が出ています。
業種別の認定数で見ると、前年度に比べて認定数が多い業界は建設業(前年比123%)と製造業(120%)となりました。
これらの結果から業種、規模問わず、様々な企業において健康経営への関心や積極的な取り組みが把握でき、今後のますますの普及や発展にも大きく影響することが期待できます。
<参考>経済産業省 商務・サービスグループヘルスケア産業課/「健康経営の推進について」(2024年3月)
健康経営優良法人の認定期間(有効期間)
健康経営優良法人の認定期間(有効期間)は約1年間です。
例えば、現在「健康経営優良法人2024」に認定された法人が、2025年4月以降も認定を受けるためには「健康経営優良法人2025」に申請する必要があります。
「健康経営優良法人2025」の申請スケジュールについては後述します。
また健康経営優良法人を取得し続けるためには、企業の抱える健康課題を解決し、従業員の健康状態が改善されている必要があります。部門によって認定要件が異なりますので、申請の際は事前に最新の認定要件や申請スケジュールを確認した上で、計画的に健康経営を推進していきましょう。
健康経営優良法人認定で得られるメリット
実際に健康経営優良法人に認定されるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
企業ブランド力の向上
1つ目は「企業ブランド力の向上」です。
健康経営優良法人に認定されると経済産業省のホームページに社名が掲載されるほか、認定期間中は認定ロゴマークが使用可能になります。
自社のホームページや名刺などにロゴマークの記載ができるため、顧客や取引先、投資家などに対して「従業員を大切にしている企業」であることをアピールすることで、会社全体のブランディングや信頼度向上につながります。
また採用時にも従業員の健康を大切にする企業であることをPRできるため、優秀な人材獲得にもつながります。
企業負担分の保険料軽減
2つ目は「企業負担分の保険料の軽減」です。
社会保険料など企業で加入している保険料は、従業員と企業で折半して支払っています。従業員の心身の健康増進を目的に健康経営に積極的に取り組み、従業員の病気リスクを抑えられると、企業負担分の保険料軽減にも効果があります。
従業員の生産性の向上
3つ目は「従業員の生産性の向上」です。
健康経営優良法人の認定を受けるには、従業員の健康を維持・向上させる取り組みが必要不可欠になります。企業側が健康に配慮した職場環境を整えることで、従業員のパフォーマンスやモチベーションが向上すると、職場のストレス軽減や従業員間のコミュニケーションの活性化にもつながり、結果として生産性の向上が期待できます。
離職率の低下
4つ目は「離職率の低下」です。
健康経営優良法人として認定された企業は、従業員の健康に配慮した働き方を実現していると評価されます。企業が積極的に職場環境の改善・維持を実践することで、従業員が働きやすい職場であると自覚し、離職率低下につながります。
少子高齢化が進み、人材定着がより難しくなっている今の時代だからこそ、健康経営を通じて人材確保に注力する必要があるのです。
「健康経営優良法人2025」に認定されるには?
健康経営優良法人に認定されるためには、どのような基準を満たす必要があるのでしょうか。主に以下の5つの項目で構成されています。
①経営理念・方針
健康経営の方針などを社内外へ発信しているか、トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいるか等が要件になります。
②組織体制
経営陣が従業員の健康維持に取り組んでいるか 、産業医・保健師の関与があるか、健保組合等保険者と連携が取れていること等が必須要件となります。
③制度・施策実行
従業員の健康課題の把握および必要な対策の検討、健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくり、従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的施策の3つの中項目で構成されています。
健康課題に基づいた具体的な目標の設定と受動喫煙対策に関する取組は必須要件で、各項目から一定数以上当てはまることが認定要件となります。
④評価・改善
従業員の健康増進を目的として実施された取り組みや仕組みに対して評価・改善や効果検証等ができているかが必須要件になります。
⑤法令順守・リスクマネジメント
定期健診の実施と50人以上の事業場におけるストレスチェックの実施等を行っていること、労働基準法や労働安全衛生法などの法令を遵守しているかなどが必須要件となります。
なお、「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」では認定基準の評価項目数が異なります。「健康経営優良法人2025」の各部門の具体的な認定要件と前年度からの変更点を以下でご紹介します。
大規模法人部門の認定要件
「大規模法人部門」は「中小規模法人部門」よりも必須項目が多いことが特徴です。
昨年度からの変更ポイントは、「健康経営推進に関する経営レベルでの会議での議題・頻度」が「健康経営銘柄」と「ホワイト500」において必須項目として追加される予定となっています。
<参考>健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」/健康経営優良法人2025(大規模法人部門) 認定要件
中小規模法人部門の認定要件
「中小規模法人部門」も、「大企業法人部門」と同様に5つの大項目に取り組むと同時に、中項目において一定数以上の項目を満たしている必要があります。
その中で上位となった500法人が「ブライト500」として認定されます。
昨年度からの変更ポイントは、従業員数が少ない法人向けの「小規模法人特例」や新たな顕彰枠拡大を目的とした「ネクストブライト1000」の新設が見込まれています。
<参考>健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」/健康経営優良法人2025(中小規模法人部門) 認定要件
「健康経営優良法人2025」の申請スケジュール・申請方法は?
健康経営優良法人の申請方法は、「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」で異なります。
また健康経営優良法人の認定を受けるには毎年申請が必要になるため、申請から認定までの最新のスケジュールや手順を事前に把握した上で、申請手続きを行いましょう。
スケジュール
「健康経営優良法人2025」の申請スケジュールは以下の通りです。
■大規模法人部門:2024年8月19日(月)~2024年10月11日(金)
■中小規模法人部門:2024年8月19日(月)~2024年10月18日(金)
<参照>健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」/申請について
例年、8月末~10月中旬頃まで申請受付期間を設け、翌年3月に健康経営優良法人が発表されているようです。
<参考>健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」/申請について
申請から認定までの流れ
「健康経営優良法人2025」は、経済産業省が日本経済新聞社へ運営を委託し、日本経済新聞社運営の「Action!健康経営」サイトにて申請に必要なID交付や、申請から認定までの手続きができます。
先程述べた通り、「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」で申請の流れが異なるため、下記の認定フローを参考にしてみてください。
<参考>健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」/ 申請について
大規模法人部門の申請方法
大規模法人部門の申請方法は、以下の通りです。
①「ACTION!健康経営」サイトの申請申込ページを確認
②「健康経営度調査票(従業員の健康に関する取り組みについての調査)」に自社の取り組み状況を記載の上、アップロードする
③健康経営優良法人の認定委員会により審査を受ける
④日本健康会議が「健康経営優良法人」を認定
中小規模法人部門の申請方法
中小規模法人部門の申請方法は、以下の通りです。
①加入している保険者(協会けんぽ、健康保険組合連合会など)が実施している健康宣言事業に参加。
※保険者の健康宣言事業の実施有無は加入している保険者にお問い合わせください。
②「ACTION!健康経営」サイトの申請申込ページを確認
③「健康経営優良法人認定申請書」に自社の取り組み状況を記載の上、アップロードする
④健康経営優良法人の認定委員会により審査を受ける
⑤日本健康会議が「健康経営優良法人」を認定
健康経営優良法人認定に役立つ施策例
健康経営優良法人に認定された企業は具体的にどのような施策や取り組みを行っているのでしょうか?
「大企業規模法人部門」「中小企業法人部門」の認定要件の大項目でも「制度・施策実行」が設けられており、従業員の健康維持・増進を目的とした施策の実行が必要になります。
ここでは主な施策例をご紹介します。
健康診断の実施
健康経営優良法人の認定を目指す場合、健康診断の受診はほぼ必須になるため、健康診断の受診率が低い企業はまずは改善に努めましょう。
健康診断を定期的に行い、従業員の病気の早期発見や健康状態の把握はもちろん、従業員の健康意識の改善や増進に役立つ効果があります。
職場の活性化
健康経営の一環で、従業員間のコミュニケーション活性化に力を入れている企業もあります。
具体的には「ありがとう」の気持ちを伝え合うコミュニケーションツールを導入したり、 フリーアドレスなど従業員同士の交流を促進するオフィス環境の整備などです。
従業員同士のコミュニケーションが円滑になると、ストレス軽減につながります。そのため、従業員同士の交流機会を増やし、心身ともに健康な状態で働ける環境を作ることも重要な施策の1つです。
健康意識の向上
健康経営優良法人の認定を受けるには、経営者や一部の該当部署だけが健康経営に取り組むのではなく、従業員全員が健康意識を高め、健康経営を推進する全社的な取り組みが必要不可欠です。
そこで重要なのが、職場全体で健康経営に取り組みやすい仕組みを構築することです。健康経営は一時的な実践ではなく、長期にわたって取り組む必要があります。従業員が抵抗なく、健康状態をセルフチェックできる環境を整えたり、食習慣・運動習慣を身につける働きかけを行うなどして、従業員の健康意識を高める工夫をしましょう。
例えば、従業員の健康への関心度を高めるために無料セミナーを開催したり、気軽に取り組める健康管理アプリの活用等もおすすめです。
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まとめ
健康経営優良法人認定制度は、企業が戦略的に健康経営に取り組むことで、従業員の健康促進や生産性向上を図ると同時に企業価値を高めるための制度です。
認定には一定の認定要件や労力が必要ですが、認定を受けることで企業の健康経営への取り組みが社会的に評価されるとともに、企業のブランド力の向上や離職率低下などにも寄与するとされています。
健康経営優良法人の認定に向けて今後積極的に取り組みたい方、具体的な施策を検討されている方は、実際認定された企業事例をぜひ参考にしてみてください。
弊社福利厚生倶楽部中部では、弊社からご提供しているサービスを通じて、4年連続で健康経営優良法人に認定されております。また、健康経営優良法人2024の取り組み事例集にも掲載されました。
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