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複雑な年末調整を簡単に!年末調整の概要と便利なツールをご紹介!!


年末調整と聞くと「面倒くさい」「わかりにくい」といったイメージを持つ方が多いかと思います。経理部、総務部などの年末調整に管理者側として携わる方は尚更ではないでしょうか。この記事では、年末調整の概要や手続きの流れ、そして年末調整が簡単に実施できるようになる便利なツールをご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.年末調整とは
    1. 1.1.年末調整の対象者
    2. 1.2.年末調整の非対象者
  2. 2.年末調整の手続きの流れ
    1. 2.1.①各種控除額の確認
      1. 2.1.1.①-1:給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
      2. 2.1.2.①-2:給与所得者の基礎控除申告書
      3. 2.1.3.①-3:給与所得者の配偶者控除等申告書
      4. 2.1.4.①-4:所得金額調整控除申告書
      5. 2.1.5.①-5:給与所得者の保険料控除申告書
      6. 2.1.6.①-6:給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
    2. 2.2.②年税額の計算
    3. 2.3.③税額の徴収、納付又は還付
      1. 2.3.1.過納額の還付(超過額の精算)
      2. 2.3.2.不足額の徴収
  3. 3.おすすめの年末調整計算ツール
    1. 3.1.①Reloかんたん年末調整 with 人生設計Navi
    2. 3.2.②マネーフォワード クラウド年末調整
    3. 3.3.③freee人事労務 年末調整
  4. 4.まとめ

年末調整とは

年末調整

年末調整は、企業で働いている人(給与所得者)が、一年の終わりに、もらった給与に対して国に支払う税金を正確に計算し、清算する手続きのことです。給与所得者は毎月給与をもらうとき、すでに給与から一部の税金が天引きされています。しかし、その税金の計算が正確でなかったり、給与所得者が特別な控除を受ける権利がある場合、正しい金額に調整する必要が出てきます。一般的に、その調整作業が12月に実施されるため年末調整といいます。

年末調整の対象者

原則、以下の条件を満たす給与所得者は年末調整の対象です。正社員の方はもちろんのこと、パートやアルバイトの方も対象になります。

・1月1日~12月31日までの1年を通じて勤務している方
・年の中途で就職し、12月31日まで勤務している方


また、年末調整は年の途中で行うこともあります。以下の条件に当てはまる方が対象です。

  • 死亡により退職した方
  • 著しい心身の障害のために退職した方で、12月31日までに再就職して給与を受け取る見込みのない方
  • 12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した方
  • 年の途中中途で退職し、その年の給与総額が103万円以下のパート、アルバイトの方
  • 海外支店等に転勤したことなどの理由により、日本国内の非居住者になった方


年末調整の非対象者

給与所得者であっても、年末調整の対象にならない場合もあります。年末調整の対象にならない方は、以下の通りです。

・1年間の給与収入の合計額が2,000万円を超えている方
・災害減免法の規定により、所得税などの源泉徴収の納税猶予や還付を受けている方
・2ヵ所以上から給与の支払を受けており、他の勤務先に扶養控除等(異動)申告書を提出している方
・扶養控除等(異動)申告書を提出していない方
・年の中途で退職した方(年末調整の対象となるケースに該当しない場合)
・日本国内の非居住者
・日雇労働者などの継続して同一の雇用主に雇用されない方

年末調整の手続きの流れ

手続きの流れ

手続きの流れは大きく分けて3ステップです。

①各種控除額の確認(11月ごろ)
②年税額の計算(12月上旬ごろ)
③税額の徴収、納付又は還付(12月下旬ごろ)

以下、それぞれのステップについて解説していきます。

①各種控除額の確認

年末調整にあたって各種控除額を算出するために、従業員がどのような控除を受けられるか確認する必要があります。よって従業員から以下の申告書を受領します。

1:給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
2:給与所得者の基礎控除申告書
3:給与所得者の配偶者控除等申告書
4:所得金額調整控除申告書
5:給与所得者の保険料控除申告書
6:給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

すべての従業員が提出する必要があるのが1~4です。
5と6については該当する項目がある方のみ提出が必要になります。

また、2~4については一枚の書類にまとまっています。


①-1:給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

年末調整対象者の全員が提出する必要がある申告書です。扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除等に該当する方は、当該項目を記入する必要があります。

①-2:給与所得者の基礎控除申告書

基礎控除を受けるために必要な申告書です。基礎控除とは、所得者の合計所得金額が2,500万円以下である場合に、その所得者本人の所得金額の合計額から48万円を限度として、所得者の合計所得金額に応じた金額を控除するというものです。

①-3:給与所得者の配偶者控除等申告書

配偶者控除・配偶者特別控除を受けるのに必要な申告書です。

配偶者控除とは、所得者が控除対象配偶者を有する場合に、その所得者本人の所得金額の合計額から38万円(配偶者が老人控除対象配偶者の場合は、48万円)を限度として、所得者の合計所得金額に応じた金額を控除するというものです。

配偶者特別控除とは、所得者が生計を一にする配偶者(合計所得金額が133万円以下の人に限ります。)で控除対象配偶者に該当しない人を有する場合に、その所得者本人の所得金額の合計額から38万円を限度として、所得者の合計所得金額と配偶者の合計所得金額に応じた金額を控除するというものです。

配偶者控除・配偶者特別控除ともに、所得者の合計所得金額が1,000万円以下の方が対象です。

①-4:所得金額調整控除申告書

所得金額調整控除とは、その年中の給与の収入金額が850万円を超える所得者が、特別障害者に該当する場合又は年齢23歳未満の扶養親族、特別障害者である同一生計配偶者若しくは特別障害者である扶養親族を有する場合に、その所得者本人の給与所得の金額から15万円を限度として、給与の収入金額(その給与の収入金額が1,000万円を超える場合には、1,000万円)から850万円を差し引いた金額の100分の10に相当する金額を給与所得の金額から控除するというものです。

①-5:給与所得者の保険料控除申告書

保険料控除を受ける方が提出する申告書です。該当する項目がない方は提出は不要です。
生命保険料や地震保険料、社会保険料、小規模企業共済等掛金について控除を受けることが可能です。

①-6:給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除を受けるのに必要な申告書です。(特定増改築等)住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅借入金等を利用して居住用家屋の新築、取得又は増改築等をした場合に一定の要件を満たすときは、その取得等に係る住宅借入金等の年末残高の合計額を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するというものです。


②年税額の計算

①で確認した給与の支払を受ける人の一人一人の所得控除と税額控除の額をもとに、給与の総額について納付しなければならない最終的な年税額を計算します。税額を求める手順は次のとおりです。

1:年末調整の対象となる給与と徴収税額の集計
2:給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)の計算
3:課税給与所得金額の計算と算出所得税額の計算
4:年調年税額の計算


③税額の徴収、納付又は還付

給与所得に対する年調年税額の計算ができたら、その年調年税額と、集計した本年分の毎月の徴収税額の合計額を比べて過不足額を求め、その精算をする必要があります。

過納額の還付(超過額の精算)

給与の支払者は、その過納額を年末調整を行った月(原則12月)分として納付する源泉徴収税額から差し引き、過納となった人に還付します。

不足額の徴収

不足額は、年末調整をする月分の給与から徴収します。それでも不足額が残るときは、その後に支払う給与から順次徴収します。ただし、年末調整をする月分の給与から不足額を徴収すると、その月の税引手取給与が、税引手取給与の平均月額の70%未満となるような人については、税務署から承認を受けた場合に限り、不足額を翌年1月と2月に繰り延べて徴収することができます。


参考:国税庁『令和5年分 年末調整のしかた


おすすめの年末調整計算ツール

先述の通り、年末調整には複雑なルールや計算への理解が必要で、手作業で行うには非常に労力がかかります。そこでおすすめしたいのが、年末調整計算ツールです。年末調整業務の効率化を図れるツールを3つご紹介しますので是非ご確認ください。


①Reloかんたん年末調整 with 人生設計Navi

Reloかんたん年末調整のファーストビュー画像

福利厚生サービスを提供しているリロクラブが提供する年末調整計算ツールです。
管理者側は実施の案内や進捗管理をツール上で簡単にでき、回答者側はアンケートに答えるだけで対象となる控除項目が自動で反映されるといった便利な機能が豊富にあります。
また、「福利厚生倶楽部」の入会企業は無料で利用できるのも魅力の一つです。

②マネーフォワード クラウド年末調整

マネーフォワードクラウド年末調整

マネーフォワードが提供する年末調整計算ツールです。ペーパーレスでの実施だけでなく紙ベースでの実施も併用可能です。また、同社の給与システム「マネーフォワード クラウド給与」との連携で従業員情報の繋ぎ込み・年末調整業務・還付金の給与合算がワンクリックで行えます。もちろん他社の給与システムとの連携も可能です。

③freee人事労務 年末調整

freee人事労務 年末調整

フリー株式会社が提供する年末調整ツールです。ツールで行いたいことや機能に応じて細かくプランが分かれているため、会社の状況に合わせて費用を抑えてツールを導入することが可能です。


まとめ

年末調整は、年に1回きりの業務とはいえ、きちんと行わなければ納税額が不足しペナルティを受けたり、逆に納めるべき額以上に納めてしまい損をしたりと会社にとっても従業員にとっても重要な手続きです。とはいえその手続きの内容は複雑でわかりにくく、どうしてもミスや抜けもれが発生してしまいがちです。
そういった問題点を一挙に解決できるのが年末調整計算ツールです。自社にあったツールを導入すれば、事務手間を減らすだけでなく正確性も処理スピードもあげることが可能です。
昨今のツールは給与計算ソフトや人事管理ツールなどと一体になっているものも多く、年末調整を皮切りにさまざまな人事・経理周りの課題を解決する可能性を秘めています。ぜひこの機会に様々なツールを確認いただき、日々の業務にお役立てください。

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